中国最大の都市であり、世界的な大都市である上海は、広大な都会のジャングルで、初めて訪れる人には少し戸惑うかもしれません。しかし、世界クラスの公共交通機関のおかげで、驚くほど簡単、効率的、そしてお財布に優しい移動が可能です。充実した地下鉄網からバス、フェリー、さらには高速鉄道まで、上海では象徴的なランドマーク、賑やかな地区、そして隠れた名所を巡る様々な選択肢を提供しています。この街の交通機関を徹底的に利用してきた私が、観光客が上海の公共交通機関をマスターできるよう、詳細なガイドを作成しました。これらのヒントを使えば、地元の人のように旅をし、お金を節約し、この活気あふれる街での時間を最大限に活用できます。さあ、出発しましょう!
上海で公共交通機関を利用する理由
上海の公共交通機関は、2,400万人の住民にとって生命線であり、観光客にとっても大きな恩恵です。料金も手頃(片道10元以下が多い)で信頼性が高く、歴史ある外灘から未来的な浦東地区まで、市内のほぼ隅々まで網羅しています。ラッシュ時には料金が高額になったり、言葉の壁で拾いにくかったりするタクシーとは異なり、公共交通機関は安定した運行で、交通渋滞も避けられます。さらに、環境に優しく、通勤する地元の人々、学生たちの談笑、活気あふれる商店街など、上海の日常生活を垣間見ることができます。週末滞在でも1週間滞在でも、公共交通機関をマスターすれば、時間、お金、ストレスを節約できます。
1. 上海地下鉄:都市交通の要
上海地下鉄は、世界最大規模かつ最も利用者数の多い地下鉄システムの一つです。19路線(現在も増加中)、400以上の駅を擁し、都市部と郊外を網羅しています。そのスピード、手頃な価格、そして英語対応の案内表示から、多くの観光客にとって頼りになる選択肢となっています。
- 仕組み: 路線は色分けされ、番号が振られています(例:2号線は緑で、外灘や浦東などの主要スポットを結んでいます)。運行時間は午前5時30分頃から午後11時30分頃までで、ピーク時(午前7時~9時、午後5時~7時)は2~3分間隔で運行しています。運賃は距離に応じて3~10元で、タップイン・アウト時に自動計算されます。
- 使用方法: 駅のキオスクまたは自動販売機で、片道乗車券またはチャージ式の上海公共交通カード(下記参照)をご購入ください(英語対応あり)。改札口で乗車券/カードをスキャンし、案内表示に従ってプラットフォームまで進み、アナウンス(多くの場合英語)をご確認ください。車内および駅構内の路線図には、停車駅が中国語と英語の両方で表示されています。
- 観光客向け主要路線:
- 2行目(緑): 南京東路(外灘の近く)、人民広場、陸家嘴(東方明珠電視塔などの浦東のランドマーク)、浦東国際空港を結びます。
- 1行目(赤): 人民広場、黄陂南路(新天地付近)、上海駅を結びます。
- 10行目(薄紫色): 豫園(旧市街)と陝西南路(フランス租界)にアクセスできます。
- 11行目(濃い赤): 終点は上海ディズニーランドリゾートです。
- なぜ素晴らしいのか: 速くて(渋滞時はタクシーより早いことが多い)、安く、エアコンも完備されているので、上海の暑い夏や寒い冬に最適です。
- 開始方法: 「上海地下鉄」アプリ(メトロマン)をダウンロードすると、リアルタイムの時刻表、路線図、英語のルート案内が利用できます。人民広場や静安寺などの主要駅のほとんどには、英語を話せるスタッフや案内デスクがあります。
- ヒント: ピーク時はなるべく避けてください。電車は混雑し、立ち見席も少なくなります。降りる際は切符やカードを手元に用意し、エスカレーターでは右側に立ち、他の人が通れるようにしましょう。
2. 上海公共交通カード:オールインワンパス
複数の交通手段をシームレスに移動するには、上海公共交通カード(別名:交通カード)がおすすめです。このチャージ式スマートカードは、地下鉄、バス、フェリー、さらには一部のタクシーでも利用できるので、個別に切符を購入する手間が省けます。
- 仕組み: 地下鉄駅のサービスカウンターまたはファミリーマートなどのコンビニエンスストアで20元(返金不可)でカードを購入し、残高(最初は50~200元)をチャージしてください。地下鉄やバスの乗車口でカードをタッチすると、運賃が自動的に差し引かれます。残高は駅の自動販売機またはカウンターで確認・チャージできます。
- 利点: 片道乗車券よりも安く(2時間以内の乗り換えには若干の割引あり)、バスでのお釣りの心配もなく、様々な交通機関で利用できます。また、一部の店舗では少額の買い物にもご利用いただけます。
- 使用場所: すべての地下鉄路線、ほとんどの市バス、黄浦江フェリー、および磁気浮上鉄道(十分な残高がある場合)で有効です。
- なぜ素晴らしいのか: 特に、複数の交通手段を乗り継いだり、毎日何度も移動したりする場合に、移動が簡単になります。毎回チケットを買うために列に並ぶ必要はありません。
- 入手方法: 地下鉄駅のサービスセンター(例:人民広場駅、南京東路駅)で「交通カード」(交通カード)を請求してください。未使用分のクレジットは、出発前に浦東空港駅などの一部の駅でデポジットを差し引いた金額を払い戻してもらえます。
- ヒント: 頻繁なチャージを避けるため、数日分のクレジット(100~150元)をチャージしておきましょう。スキャン時のトラブルを防ぐため、他のカードとは別に保管し、折り曲げないようにしてください。
3. 市バス:景色が美しく、お手頃価格
上海のバス網は地下鉄を補完し、地下鉄が直接通っていない地域にもアクセスでき、より美しい景色を楽しみながら街を観光できます。数千もの路線があり、短距離の移動や近隣地区の散策に最適です。
- 仕組み: バスは午前5時頃から午後11時頃まで運行しており、料金は1回2元(交通カードまたは現金で支払い、お釣りは出ません)です。路線には番号が振られており、71番(外灘行きトロリーバス)や911番(人民広場付近)といった主要な観光路線は、停留所で英語で案内されることが多いです。アナウンスは中国語のみの場合もありますが、主要な停留所では英語で案内される場合もあります。
- 使用方法: 前方から乗車し、カードをタッチするか、運賃箱に現金を入れて、後方から降車します。Googleマップや百度地図などのアプリを使ってルートと停留所を検索しましょう。目的地を入力すると、バスの番号が表示されます。路線図(中心部では多くの場合、バイリンガル表記)のあるバス停を探しましょう。
- 観光客向けの主要ルート:
- バス71(トロリーバス): 外灘と南京路に沿って走り、美しい景色を眺めながらノスタルジックなドライブを楽しめます。
- バス20: 外灘と人民広場および近隣の観光スポットを結びます。
- 観光バス: 乗り降り自由の二階建てバス(1日乗車券は約30元)は、英語の音声ガイド付きで、外灘、豫園、浦東などの主要なランドマークを巡ります。
- なぜ素晴らしいのか: バスは短距離であれば地下鉄よりも安く、車窓から屋台や公園、地元の賑わいなど、街の生活を間近で見ることができます。
- 開始方法: 地下鉄駅近くのバス停で路線情報を確認するか、ホテルのスタッフに目的地までの路線を尋ねてください。交通カードを携帯すれば、現金のやり取りを省くことができます。
- ヒント: ラッシュアワー時は交通渋滞のためバスが遅れる場合がありますので、時間に余裕を持って計画を立ててください。バス停が近い場合は、運転手があまり待たない可能性があるため、ドアの近くに立ってください。混雑したバスではスリにご注意ください。
4. 黄浦江フェリー:美しい景色を眺めながらの渡河
黄浦江フェリーは、浦西(黄浦江の西側)と浦東(黄浦江の東側)をユニークかつお手頃な料金で移動できるユニークな方法です。上海を象徴するスカイラインを眺めながら、ちょっとした観光も楽しめます。
- 仕組み: フェリーは、東昌路(浦東、陸家嘴付近)と金陵東路(浦西、外灘付近)などの主要な埠頭間を午前7時頃から午後10時頃まで運航しています。運賃は片道わずか2元で、交通カードまたはチケットカウンターで現金でお支払いいただけます。所要時間は約10~15分です。
- 使用方法: 主要なランドマークの近くにフェリーターミナルがあります(船のアイコンがついた標識を探してください)。チケットを購入するか、カードをタッチしてフェリーに乗り込み、オープンエアのデッキから外灘や浦東の高層ビル群の写真を撮るのをお楽しみください。フェリーの時刻表は10~20分間隔で頻繁に運行しており、ターミナルに掲示されています。
- なぜ素晴らしいのか: 地下鉄の旅の疲れを癒し、上海の有名なウォーターフロントを格安で楽しめる方法です。子供も大人も、この素早い船旅が大好きです。
- 開始方法: 外灘側(地下鉄南京東路駅の近く)から出発し、浦東へ渡って東方明珠塔などの観光名所を訪れましょう。またはその逆も可能です。
- ヒント: 夕暮れ時や夜間に乗れば、ライトアップされたスカイラインの絶景をお楽しみいただけます。風の強い日は手すりにしっかりとつかまり、水辺ではお子様から目を離さないでください。
5. 上海磁気浮上鉄道:高速空港接続
上海浦東国際空港 (PVG) に到着または出発する場合、上海磁気浮上鉄道は、時速 431 km (268 mph) の速度で市街地の端まで未来的な高速移動を提供します。これは世界最速の商業列車です。
- 仕組み: リニアモーターカーは、浦東空港と龍陽路駅(地下鉄2号線付近)をわずか7~8分で結んでいます。運行時間は午前6時45分から午後9時40分までです。料金は片道50元(交通カード提示で40元)、往復80元です。切符は空港または龍陽路駅のカウンターまたは券売機で購入できます。
- 使用方法: 浦東空港では、第2ターミナル付近にあるリニアモーターカーターミナルの標識に従ってください。切符を購入し、スタイリッシュな電車に乗り、龍陽路で地下鉄2号線に乗り換えて上海中心部へ向かいます。デジタルディスプレイに速度が表示されているので、お子様もきっと喜ぶでしょう。
- なぜ素晴らしいのか: スリル満点の体験で、タクシーや通常の電車(同じ距離を移動するのに40~60分かかる場合があります)よりもはるかに速いです。旅の始まりや終わりにぴったりの素敵な方法です。
- 開始方法: フライトの時刻が磁気浮上式鉄道の運行時間と一致していることを確認してください。深夜は運行していません。交通カードをご用意いただくと割引料金が適用されます。
- ヒント: 速度表示をよく見るには、前方の席に座りましょう。龍陽路から中心部までは地下鉄を乗り換える必要があるため、短期滞在には向きません。急いでいる場合はタクシーの方が楽かもしれません。
6. タクシーと配車サービス:代替手段
厳密には公共交通機関ではありませんが、タクシーやDiDiのような配車アプリは、地下鉄やバスの路線が不便な場合、特に深夜や重い荷物がある場合に便利な補助手段です。規制が厳しく、欧米の都市に比べて比較的手頃な価格です。
- 仕組み: 公式タクシーはターコイズブルー、赤、または黄色で、メーター料金は最初の3kmが14元、その後は1kmごとに2.5元ずつ加算されます。DiDi(中国のUberに相当するサービス)ではアプリから予約でき、料金はDiDiより若干安いか同等です。上海中心部では、ほとんどの乗車料金は20~50元です。
- 使用方法: 路上でタクシーを拾う(屋根の上にある緑色の「空車中」ランプを探してください)か、地下鉄駅近くの指定乗り場をご利用ください。DiDiの場合は、アプリをダウンロードし、アカウントを作成し(英語版もあります)、支払い方法を登録します(国際カードが使える場合もありますが、現金での支払いも可能です)。運転手には中国語で住所を見せましょう。ホテルのカードやスクリーンショットを持参しましょう。
- なぜ素晴らしいのか: タクシーは、朱家角水郷などの場所への直行や、公共交通機関が運休になった場合などに便利です。DiDiは英語対応も行っており、言葉の壁を解消できます。
- 開始方法: 到着前にDiDiをダウンロードするか、ホテルにタクシー運転手向けの中国語で主要な目的地を書いてもらうように頼んでください。観光地の近くでは、無免許の「黒タクシー」は高額な料金を請求してくるので、避けましょう。
- ヒント: ラッシュアワー(午前7時~9時、午後5時~7時)は交通渋滞が発生するため、タクシーの利用は避けてください。必ずメーター料金を主張し、定額料金を提示する運転手は断りましょう。お釣りが限られる場合があるので、小額紙幣(20~50元)を持参してください。
上海の公共交通機関を利用するための実用的なヒント
- 計画: ルートプランニングには、「上海地下鉄」(メトロマン)、Googleマップ、Appleマップなどのアプリをご利用ください。ほとんどのアプリは英語に対応しており、リアルタイムで更新されます。インターネットが使えない場合に備えて、紙の地図やスクリーンショットを用意しておきましょう。1日の計画を立てる際は、地下鉄路線から観光スポットまでの距離を確認しましょう。
- タイミング: 地下鉄やバスのピーク時(午前7時~9時、午後5時~7時)は、できる限り避けてください。混雑がひどく、座れない可能性があります。特に人民広場のような大きな駅では、乗り換えに5~10分かかることもあるため、乗り換えには余裕を持って時間を確保してください。
- チケットと料金: バスやフェリーをご利用の際は、チャージ済みの交通カードまたは小銭(1~10人民元の硬貨または紙幣)を必ず携帯してください。地下鉄の片道切符はリサイクル可能です。不要になった場合は、降車時に機械に投入してください。レシートや切符は、乗車終了まで保管しておきましょう。万が一、精算が必要になった場合に備えてです。
- 言語: 地下鉄の標識や主要なバス停には英語が書かれていますが、小さな停留所やアナウンスでは英語が書かれていない場合があります。翻訳アプリ(Google翻訳、Plecoなど)を使って助けを求めるか、地図を指差しましょう。バス停では「ここが停留所ですか?」などの基本的なフレーズを覚えておきましょう。
- アクセシビリティ: 新しい地下鉄駅のほとんどには、ベビーカーや車椅子用のエレベーターとエスカレーターが設置されています。標識をご確認ください。バスは階段や混雑のため、乗り降りが困難な場合があります。係員に頼めばお手伝いいたします(言葉が通じない場合は、ご要望をお伝えください)。
- 安全性: 上海の交通機関は安全ですが、混雑した地下鉄やバス停ではスリにご注意ください。バッグはジッパーを閉めてしっかりと閉じてください。プラットフォームでは黄色い線の内側に立ち、ドアが閉まったら慌てないでください。乗車中、特にバスでは手すりにつかまってください。
- エチケット: 地下鉄の乗車時は、プラットフォームに描かれた線に従って列を作り、乗車前に降車する乗客を先に送り、高齢者や妊娠中の乗客には席を譲りましょう。地下鉄内での飲食は控えましょう。特に携帯電話の使用時は、騒音にご注意ください。
- 荷物: 地下鉄では小型から中型の荷物は持ち込めますが、ラッシュ時には大型荷物は避けてください。駅のロッカー(5~10元)をご利用いただくか、タクシーをご利用ください。リニアモーターカーや空港バスにはスーツケースを収納できるスペースがあります。
- 接続性: 交通機関では無料Wi-Fiがほとんどないので、事前にオフラインマップやアプリをダウンロードしておきましょう。必要に応じて、空港やお店で現地のSIMカード(China MobileまたはUnicom、50~100元)を購入し、データ通信にご利用ください。
公共交通機関を利用したサンプル旅程
- 1日目:上海中心部のハイライト
- 人民広場(地下鉄1/2/8号線)から出発します。上海博物館(入場無料)を訪問します。
- 外灘まで歩くか、20番バスに乗って街のスカイラインを眺めましょう。
- 金陵東路から浦東行きのフェリー(2人民元)に乗って、陸家嘴(地下鉄2号線で東方明珠タワー)を観光します。
- 地下鉄2号線で南京東路に戻り、夕食とショッピングを楽しみます。
- 2日目: 文化とテーマパークの楽しみ
- 豫園と旧市街のバザールへ行くには、地下鉄10号線で豫園駅まで行きます。
- 地下鉄2号線に乗って、高層ビルに囲まれた歴史的な場所、静安寺へ。
- 地下鉄11号線で上海ディズニーランド(終点)まで行き、魔法のような夜を過ごしましょう。
- 3日目:日帰りアドベンチャー
- 水郷を訪れるには、地下鉄17号線で朱家角駅まで行きます(または、タクシー/DiDiを予約すると便利です)。
- 地下鉄で戻り、広蘭路で2号線に乗り換えて浦東のセンチュリーパークで休憩します。
上海の交通機関を利用するにあたっての最終的な考察
上海の公共交通機関は、観光客にとって最高の味方です。効率的で手頃な価格、そして充実した交通網のおかげで、巨大な都市を気軽に冒険の旅へと誘います。地下鉄で地下を疾走したり、黄浦江をフェリーで滑るように渡ったり、リニアモーターカーで空港まで急いだり。このダイナミックな大都市を探索する楽しみは、移動そのものにあると言えるでしょう。交通カードと地下鉄アプリをダウンロードし、混雑に少しだけ我慢すれば、上海を自信を持って移動し、その景色、音、そして味覚をじっくりと堪能する時間を持つことができます。
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安全な旅を、そして上海の旅を楽しんでください!